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中小企業向け!業務代行サービスでROIを最大化する戦略と成功事例

作成者: StepBase|2025.09.04

多くの中小企業が、日々多岐にわたる業務に追われ、「本来注力すべきコア業務に集中できない」という課題を抱えています。限られた人材とリソースの中で、売上を生み出す活動や事業戦略の立案に時間を割けず、雑務に忙殺されてしまう現状は、企業の成長を阻害する大きな要因となりかねません。このような状況を打破し、持続的な成長を実現するための有効な手段として注目されているのが「業務代行サービス」です。 

 

本記事では、中小企業が業務代行サービスを活用することで得られる具体的な投資対効果(ROI)に焦点を当て、そのメリット、成功事例、そして導入を成功させるための実践的なポイントを詳しく解説します。コア業務への集中がいかに企業の競争力強化につながるかを理解し、貴社の未来を拓くヒントを見つけてください。 

 

1.中小企業が抱える「業務の壁」と業務代行サービスの役割 

 

中小企業は、大企業に比べて人的・物的リソースが限られているため、一人当たりの業務範囲が広くなりがちです。経営者自身が経理や総務といったバックオフィス業務を兼務しているケースも少なくありません。これにより、以下のような「業務の壁」に直面することが多々あります。 

 

リソースの限界 人材が不足しているため、多様な業務を少人数でこなす必要があり、一人ひとりの負担が過大になる傾向があります。
専門性の不足 特定の専門知識(例: 経理、法務、高度なITスキルなど)が必要な業務であっても、専門人材を常時雇用する余裕がないことがあります。 
雑務に追われる現状 直接的に売上を生まないノンコア業務(定型的な事務作業、データ入力、電話対応など)に多くの時間が奪われ、本来注力すべきコア業務(新規事業開発、顧客獲得、製品改善など)への集中が困難になります。 

 

これらの課題は、業務効率の低下、従業員のモチベーション低下、そして最終的には企業の成長機会の損失につながります。 

 

ここで業務代行サービスが重要な役割を果たします。業務代行サービスとは、企業の特定の業務を外部の専門業者に委託することを指します。ノンコア業務を外部のプロに任せることで、社内の貴重なリソースを最大限に活用し、企業全体の効率性と生産性を向上させることが可能になります。専門的なスキルを持つ外部の力を借りることで、自社だけでは達成しにくい業務の品質向上やスピードアップも期待できます。 

2.業務代行サービスがもたらす具体的なROI(費用対効果) とは?

 

業務代行サービスは単なるコストではなく、企業成長のための「投資」と捉えるべきです。この投資がどれだけの効果(Return)をもたらすかを測る指標がROI(Return on Investment:投資対効果)です。ここでは、業務代行サービスが中小企業にもたらす具体的なROIについて解説します。 

2-1.業務代行サービスがもたらすROI(費用対効果) 

✅コスト削減効果

業務代行サービス導入によるコスト削減は、ROIを最大化する上で最も分かりやすいメリットの一つです。 

 

人件費・採用費・教育費の削減 業務を外部に委託することで、専任の従業員を雇用する必要がなくなり、給与、社会保険料などの人件費だけでなく、採用活動にかかる費用や教育研修コストも削減できます。 
固定費の変動費化 自社で人材を抱える「固定費」を、業務委託という形で必要な時に必要な分だけ利用する「変動費」に転換できます。これにより、経営状況に応じた柔軟なコスト調整が可能になります。 
設備投資費の抑制 特定の業務に必要なソフトウェアや機器、オフィススペースなどの設備投資も不要になります。

✅生産性向上効果

コスト削減だけでなく、業務代行は社内全体の生産性向上にも大きく貢献します。 

 

コア業務への集中 ノンコア業務を外部に委託することで、従業員は本来の強みを発揮できるコア業務に集中できます。これにより、従業員の専門性が高まり、より付加価値の高い業務に取り組む時間が生まれます。 
業務効率の向上 専門性の高い代行業者に業務を任せることで、自社で行うよりも効率的かつ高品質な業務遂行が期待できます。例えば、経理代行では自動化ツールを導入している場合が多く、作業の正確性や精度を高めることができます。 
従業員満足度の向上 雑務に追われるストレスから解放され、自身の専門スキルを活かせる業務に集中できるため、従業員のモチベーションや満足度が向上し、離職率の低下にもつながります。

✅事業成長への貢献

業務代行は、間接的に企業の事業成長を加速させる要因ともなります。 

 

新規事業への投資加速 コア業務に集中できることで、経営陣や主要メンバーは新規事業の企画・立案や市場調査など、未来への投資に時間を割けるようになります。 
市場変化への迅速な対応 柔軟なリソース配分が可能となるため、市場の変化や顧客ニーズの変動に迅速に対応し、競争優位性を確立しやすくなります。 
専門ノウハウの活用 外部の専門業者が持つ最新の知識や豊富な経験を活用することで、自社だけでは得られなかったノウハウや業界知識を取り入れ、業務改善や事業戦略に役立てることができます。 

✅リスク軽減効果

業務代行は、企業が直面しうる様々なリスクの軽減にもつながります。 

 

専門家による高品質な業務遂行 税務申告や法務関連など、専門知識を要する業務は、法改正などへの対応が遅れると企業にとって大きなリスクとなります。業務代行サービスを利用することで、専門家による正確かつ迅速な業務遂行が可能となり、リスクを最小限に抑えられます。
業務の属人化解消 特定の業務が一人の担当者に集中している場合、その担当者の退職や休職が業務停滞のリスクとなります。業務代行によって業務プロセスが標準化され、属人化のリスクを軽減できます。
事業継続計画(BCP)対策 災害や緊急事態が発生した場合でも、外部委託している業務は継続される可能性が高く、事業継続計画の一環としても有効です。 

2-2.ROIの具体的な計算方法と評価のポイント 

業務代行サービスのROIを定量的に評価するには、以下の指標を活用できます。 

✅ROI(Return on Investment:投資利益率) 

投資した費用に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標です。

 

ROI = (利益 - 投資額) ÷ 投資額 × 100 

 

例えば、業務代行サービスに100万円を投資し、それによって500万円の利益増加と40万円のコスト削減が実現し、コア業務に集中したことで生まれた付加価値が30万円と仮定した場合、純粋な利益は (500万円 + 40万円 + 30万円) - (サービス費用100万円) = 470万円となります。この場合のROIは、 (470万円 - 100万円) ÷ 100万円 × 100 = 370% となります。 

✅CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価) 

1件の顧客獲得にかかった費用を示す指標です。営業代行の場合、1件のアポイント獲得や成約にかかるコストとして計算されます。 

 

CPA = コスト ÷ 顧客獲得件数 

✅CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト) 

新規顧客1人を獲得するための総コストを示す指標で、営業代行費用だけでなく、関連する広告費や人件費なども含めて算出します。 

 

これらの定量的な指標に加え、従業員のストレス軽減や企業イメージ向上といった定性的な効果も総合的に評価することが重要です。 

3.成功事例に学ぶ!中小企業の業務代行サービス活用術 

 

実際に業務代行サービスを導入し、大きな成果を上げた中小企業の成功事例を見てみましょう。多様な業務で活用されていることが分かります。 

事例1:営業代行で新規商談を劇的に増加させたITスタートアップ 

あるITサービス業のスタートアップ企業S社(社員数15名)は、自社開発ツールの販売強化を目指していましたが、営業人員が1名しかおらず、新規商談の獲得に苦戦していました。そこで、営業代行サービスにアポイント獲得(インサイドセールス)を依頼。ターゲットを中小企業の管理部門に絞り、商材トレーニングと営業スクリプトを共同で作成しました。 

 

その結果、初月から10件以上の商談獲得に成功し、自社営業ではリーチできなかった業種・企業へのアプローチも可能になりました。社内の営業担当者は商談に集中できる体制が整い、受注率も向上しました。この成功は、代行会社との密なコミュニケーションと商材・顧客情報の丁寧な共有が鍵となりました。 

事例2:経理代行で業務負担を軽減し本業に集中した製造業 

地方の製造業A社(社員数50名)では、経理業務の負担が増加し、社内の他部門の業務に支障をきたす状況にありました。特に、経理担当者の退職により人員が急遽不足し、マニュアルもない中で業務の引き継ぎが困難な状態でした。 

 

そこで、経理代行サービスを導入。既存の業務フロー整理、売上請求書の発行、振込申請、給与振込データ作成などの業務を委託しました。専門知識を持つ代行業者が適切に処理を進めた結果、経理業務の停滞がなくなり、社内の他のメンバーは本業に専念できるようになりました。また、業務フローの整備やマニュアル作成も支援され、将来の採用を見据えた基盤づくりも進みました。ある飲食店の事例では、経理担当者の人件費月額約20万円を、ゼロ経理サービスの導入により約16万円削減し、経営者が店舗運営に集中して売上アップにつなげた例もあります。 

事例3:総務代行でバックオフィス業務の質を向上させたサービス業 

社員10名規模のベンチャー企業では、社長が経営戦略と同時に総務業務も兼務しており、コア業務への集中が課題でした。名もなき仕事に追われ、本来の業務が滞りがちだったため、総務代行サービスを導入しました。

 

具体的には、備品管理、郵便物対応、データ入力、契約書管理などのノンコア業務を代行。これにより、社長は経営判断や戦略立案に時間を割けるようになり、組織全体の生産性が向上しました。また、専門業者による業務遂行で、総務業務の品質も安定し、従業員の満足度向上にも寄与しました。 

事例4:IT・Web関連業務代行で専門知識を補完した中小企業 

Webサイトの運営やコンテンツ作成に課題を抱えていた中小企業では、社内にWeb専門の知識を持つ人材がおらず、時間とコストをかけて外部の制作会社に都度依頼していました。しかし、緊急性の高い修正や日常的な更新に対応しきれていない状況でした。 

 

そこで、Web系制作やサイト運用に強みを持つオンラインアシスタントサービスを導入。Webページの作成、バナーやロゴデザイン、ECサイトの運用代行などを依頼しました。これにより、専門知識の不足を補い、迅速な対応が可能になっただけでなく、自社のコア業務である商品開発や顧客サポートに集中できるようになりました。 

 

これらの事例から分かるように、業務代行サービスは業種や規模を問わず、様々な課題解決に貢献し、企業の成長を力強く後押ししています。 

4.業務代行サービス導入を成功させるためのステップとポイント 

 

業務代行サービスを最大限に活用し、期待通りのROIを得るためには、戦略的な導入プロセスが不可欠です。 

4-1.課題の明確化と依頼範囲の決定

現状分析 まず、自社内でどのような業務に時間とリソースが費やされているか、どの業務がボトルネックとなっているかを詳細に洗い出します。コア業務とノンコア業務を明確に区分けし、どこを外部委託すべきか見極めます。 
依頼業務の明確化 委託したい業務の具体的な内容、期待する成果、完了までの期限などを明確にします。曖昧な依頼は、期待外れの結果や追加コストにつながる可能性があります。 

4-2.サービス提供会社の選定

実績と専門性 依頼したい業務分野において、豊富な実績と専門知識を持つ業者を選びましょう。特に中小企業の支援実績が豊富か、自社の業界特有の事情を理解しているかを確認することが重要です。
信頼性とセキュリティ体制 機密情報を扱う場合もあるため、情報管理体制やセキュリティ対策がしっかりしているかを確認します。 
コミュニケーション能力 円滑なコミュニケーションが取れるか、定期的な報告体制が整っているかなども重要な選定基準です。密な連携は成功の鍵となります。
費用対効果の比較 複数の業者から見積もりを取り、料金プランだけでなく、サービス内容やサポート体制を含めたトータルでの費用対効果を比較検討します。

4-3.費用対効果の評価と契約内容の明確化

ROIの試算 導入前に、前述のROI計算式などを活用し、期待できる効果を具体的に数値化して試算します。 
契約内容の確認 委託業務の範囲、責任の所在、費用体系(固定報酬型、成果報酬型、複合型など)、契約期間、解約条件などを明確に記載した契約書を締結します。基本報酬以外の追加費用が発生する可能性も考慮しましょう。

4-4.導入後の効果測定と改善

KPI設定とモニタリング 導入後は、設定したKPI(重要業績評価指標)を定期的に測定し、業務効率化やコスト削減、生産性向上などの効果が計画通りに進んでいるかを確認します。 
フィードバックと改善 定期的なミーティングを通じて、代行業者と密に連携し、業務プロセスや成果に対するフィードバックを行います。必要に応じて改善策を講じ、より良いサービス運用を目指しましょう。

5.業務代行サービス選びで失敗しないための注意点 

 

✅「丸投げ」は避ける

 

業務を完全に「丸投げ」してしまうと、自社の業務プロセスやノウハウがブラックボックス化し、問題発生時の対応が難しくなります。代行業者との密なコミュニケーション、情報共有を怠らないようにしましょう。

 


✅情報共有の徹底

 

業務の品質を維持し、代行業者がスムーズに業務を遂行できるよう、必要な情報(業務マニュアル、顧客情報、社内ルールなど)を正確かつタイムリーに共有することが不可欠です。 

 


✅セキュリティ対策の確認

 

特に機密情報や個人情報を扱う業務を委託する場合、代行業者のセキュリティ体制が自社の基準を満たしているかを厳重に確認してください。NDA(秘密保持契約)の締結も必須です。 

 


✅内製化ノウハウの蓄積

 

ノンコア業務であっても、完全に外部化することで、社内にその業務に関するノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。将来的な内製化や業務改善の観点から、代行業者から業務報告や改善提案を受ける機会を設けるなど、知識の移転も意識しましょう。 

 


✅急な業務への柔軟性

 

契約範囲外の急な業務やイレギュラーな対応に対して、どこまで柔軟に対応してもらえるか、事前に確認しておくことが重要です。 

まとめ 

中小企業にとって、人手不足や多様な業務への対応は常に大きな経営課題です。しかし、業務代行サービスを戦略的に活用することで、これらの「業務の壁」を乗り越え、企業成長を加速させる強力な原動力に変えることが可能です。 

 

本記事でご紹介したように、業務代行サービスは、人件費や採用費といったコスト削減、コア業務への集中による生産性向上、そして新規事業への投資加速といった事業成長への貢献、さらに専門家による業務遂行や属人化解消によるリスク軽減など、多角的なROIをもたらします。実際に多くの企業が、営業代行で新規顧客獲得を加速させたり、経理・総務代行でバックオフィス業務の効率化と品質向上を実現したりしています。 

 

業務代行サービス導入の成功には、自社の課題を明確にし、信頼できるパートナーを選定すること、そして導入後も密なコミュニケーションと効果測定を継続することが重要です。単なるコスト削減策としてではなく、「コア業務への集中」と「事業成長」を実現するための戦略的投資として業務代行サービスを捉え、その真価を引き出してください。 

 

貴社が本来注力すべきコア業務に集中し、新たな価値を創造していくために、業務代行サービスの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。貴社のビジネスがさらに飛躍するための最適なソリューションが、きっと見つかるはずです。